近ごろ巷(ちまた)に流行(はや)るもの

10月 10th, 2010 by 樹下仙人 Leave a reply »

近ごろ巷に流行るもの、歩きながらのケイタイメール、人混みかまわぬキャリーバッグ。

電車が到着すると、乗車口の左右に分れて降りてくる乗客を待つ。ゾロゾロ、ノロノロはまァいいとして、やおら立ち上がるとケイタイから目を離さず、キーに指を這わせながらシズシズと歩を運んで来る輩(やから)がいる。待ち切れずに乗り込むと、トゲトゲしい眼差しを送ってくる。
こんなこともあった。フルサイズの豪華な乳母車を電車に押し入れた若い母親。じきにケイタイを取り出し、熱心にキーを操作。メールなのかゲームなのか。つぎの駅に電車が停まり扉が開いた。が、戸口にデンと置かれた大きな乳母車、降りるにも乗るにもままならない。お安くはないだろうスーツを身にまとうこの母親、5、6センチほども動かしたろうか。

キャリーバッグが大流行り。とくに旅行には便利だ。しかし駅構内では。時間に追われて気忙しく大勢が縦横に行き交う、しかも至近距離で交差する。
うまく身を交わしたと思った瞬間、後ろに引くキャリーバッグに足を取られた。ひとつ間違うと大けがだ。身近に引き寄せて周りに気を配りながらならまだしも、上半身を後ろに反らせんばかりに腕をいっぱいにのばして。ホームなら、転落事故にもなりかねない。自転車同様、「車両」なんだ。人混みではリアカーではなく、せめてサイドカーにしろ。

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